近年,欧州を中心に経済復興と環境負荷低減の両立を目的とした「グリーンリカバリー」への取り組みが注目されています。グリーンリカバリーの狙いは,大きく2つに分類されます。
- 脱炭素に不可欠なインフラ整備に重点投資をすることで経済の活性化を支援する
- 脱炭素をキーワードに既存産業に「事業変革への取り組み」を促す
この様な欧州の脱炭素への取り組みに対して,日本は遅れていることが指摘されています。
日本も遅ればせながら,2020年10月に「2050年にカーボンニュートラル,脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。
日本のカーボン排出量の推移は,図-1に示すように高度経済成長期の1990年度から2018年度に至るまで大きな変化はなく,11億㌧~13億㌧の間を推移しています。
部 門 |
排出量 |
比 率 |
---|---|---|
電力・エネルギー部門 |
4.563億㌧ |
40.1% |
産業部門 |
2.845億㌧ |
25.0% |
運輸部門 |
2.026億㌧ |
17.8% |
生活・サービス部門 |
0.637億㌧ |
5.6% |
家 庭 |
0.523億㌧ |
4.6% |
その他 |
0.786億㌧ |
6.9% |
2018年度における部門別のカーボン排出量を,表-1に示します。電力・エネルギー部門,産業部門,運輸部門で全体の約83%を占めています。このことから,産業と運輸部門を電化することで化石燃料から脱却し,そのエネルギーを供給する電力・エネルギー部門も化石燃料から脱却するシナリオが浮かんできます。
CO2の排出量が多い電力・エネルギー部門では,脱炭素の切り札として再生可能エネルギーに力を注ぐものと思われます。なかでも洋上風力発電は,建設産業にとっても魅力のある分野といえます。
[CO2削減など環境保全]では,今後マーケットの拡大が予想される「再生可能エネルギーの普及」に貢献する技術,「CO2吸収コンクリートの開発」に貢献する技術,カーボンニュートラルに欠かせない「インフラ施設の緑化」に貢献する技術などを主なテーマとしています。
インフラ施設の緑化技術
- 準備中
コンクリート製品の普及を目指して
- 準備中